気まぐれ映画評『テッド』 気まぐれ映画評
気まぐれ映画評、
今回は『テッド』です。
アメリカ的な「笑い」って、日本人にとっては理解できない、そのツボがわからなかったりすることが珍しくない。しかし、『テッド』に関しては多くの観客にその「笑い」が受け入れられるはずだ。『スター・ウォーズ』や『ブリジット・ジョーンズの日記』などに知識があったほうが面白く感じられるのは確か。ただ、『フラッシュ・ゴードン』を知らなくても(私も知らない)、ノラ・ジョーンズを聴いたことがなくても、どうってことはない。見た目は愛くるしいが中身は35歳という、テディベアのギャップこそこの映画の最大の魅力だから。
友達がいない8歳の少年ジョンと命が宿ったテディベア「テッド」、それから27年にわたり一緒に暮らし、いまやマリファナを吸って、B級映画を観て、ダラダラ…。酒、女、クスリにおぼれるダメ熊がいまのテッド。なのだけれど、最後はふたりの熱い友情を見せつけられ、観ているこちらがダメオヤジ熊の魅力に引き込まれてしまっている。テッドがそばにいたら面白いよな、と思ってしまうのだ。
放送禁止用語乱発、言葉遣いは悪い、品がない、ブラックジョークたっぷりで、観る人との相性がかなり重要な作品かもしれない。私は【日本語版】を観たのだが、アメリカンジョークを日本語にするにはたいへんな苦労があったろう。「くまもん」って、とは思ったが。タレント・有吉弘行さんがテッドの声を演じているのだが、なんか、そのまんまな感じで良かったり、逆にイメージできすぎて…というところがあったかもしれない。
「話題になっているようなので、観ておくか!」くらいの気持ちで臨むとハマるかも。いずれにせよ、テッド自身も、この作品も憎めません。