『岩瀬さんとのジンクス』 日々
きのう、元中日の岩瀬仁紀さんが、競技者表彰のプレーヤー部門で野球殿堂入りを果たしました。おめでとうございます。わたしは野球殿堂の投票権者ですが、もちろん投じています。プロ野球記録の1002試合登板、407セーブ。そしてなんといっても2007年11月1日、中日ドラゴンズの53年ぶりの日本一の瞬間にマウンドに立っていた岩瀬さん。今回の殿堂入り、うれしい限りです。
岩瀬さんとわたしとの写真、一番古いものが2002年12月4日、いまから23年前。わたしが当時出演していた『ガッツナイト』という番組でのものです。
ただ、初めてお会いした日のことははっきりと覚えています。わたしの入社1年目。1998年9月26日にドラゴンズを逆指名した、NTT東海の岩瀬選手のインタビューを収録するために、10月、同社の合宿所でインタビューをさせていただきました。『サンデースポーツマガジン』という番組でオンエアされたあの音源は、もう残っていないよなあ…。
一年目から大活躍の岩瀬さん、ラジオ番組ではもちろんのこと、シーズンオフのトークショーなどでも何度もご一緒させていただきました。
時系列で並べるとこんな順です。たくさんありすぎて悩みました。
岩瀬さんとわたしの間のジンクスがありました。岩瀬さんの引退後、『大澤広樹のドラゴンズステーション』で話題にしたことがあったと思います。
「試合前に岩瀬さんとわたしが話をすると打たれる」。
毎試合、当たり前のように抑えてマウンドを降り、試合を締めくくっていた岩瀬さん。それでも年に数試合は打たれることがあります。そして岩瀬さんもわたしも気づいてしまったんです。試合前に話をした日に、なぜか打たれていることを。「いつ電話してもらっても、話しかけてもいいから、試合の前はやめましょう」、もう10数年前の約束でした。
その約束を守り続けて10数年、その禁を破ってしまいました。2016年8月6日、横浜スタジアムでのことです。
ドラゴンズの練習中、岩瀬さんが加藤秀司打撃コーチ(当時)と、何やら話し込んでいました。岩瀬さんと打撃コーチ、珍しい光景です。気になりましたが、約束は約束です。…と思っていると、岩瀬さんがニコニコしながら、何か話したそうな表情で近づいてきました。
声をかけざるを得ないじゃないですか。岩瀬さん、何を話していたんですか?
「なんだと思う? サインがほしいって」と大笑いしながら岩瀬さんが応えてくれました。試合前、岩瀬さんとの10数年ぶりの会話です。
その日、登板の機会が回ってきました。不安がよぎりました。
その日の登板で、プロ野球史上3人目となる通算900試合登板を達成しました。が!アウトをひとつも取ることができず、高城選手と桑原選手に適時打を浴び降板し、敗戦投手となりました。
翌日の試合前、岩瀬さんがわたしに「オレたち、すごいな。試合前に話すのはこれが最後だ」。わたしももちろん、喜んで(笑い)。
岩瀬仁紀さん、野球殿堂入りおめでとうございます。