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直球勝負!大澤広樹

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『戦力外通告』 日々

きょう、わずかな時間ではありますがナゴヤ球場に行っていました。中日球団はきょう、5選手に対して来季の契約を結ばない、いわゆる「戦力外通告」を行いました。きのう、選手個々には電話で「あした事務所に来るように」と連絡があったこと、そしてきょう通告があるということを知っていたので、あまりナゴヤ球場へ行きたくないというのが本音でした。昇竜館からスーツ姿でタクシーに乗り込む選手を数人、見送ることになりました。



写真は2020年冬の新入団発表。ドラフト1位高橋宏斗選手、育成ドラフト3位松木平優太選手。そしてきょう、チームを去ることが決まった加藤翼選手、上田洸太朗選手が写っています。

上田洸太朗選手が昇竜館へ戻ってきたとき、わたしは渡辺博幸・育成野手コーチと話していました。渡辺コーチはすぐに上田選手に声をかけました。「まだ野球、続けるんだよね?」から始まった、プロ同士の話。わたしはちょっとだけ距離を置き、でも耳をそばだてて、2人の様子を見守りました。

詳しいことはここでは控えますが、渡辺コーチは「(内容は)いつもいつも言ってきたこと。でも、きょうが一番、身に沁みたと思う。なかなか普段、言われても響かないんだよね。誰でもそう。追い込まれて初めて気がつくんだよ。こうすれば良かった、ああすれば良かった、いくら後悔しても遅いのだけれど。でも、まだ22歳。オレたちなら大学4年生。まだなにも始まっていなかった頃。これから頑張ってほしい」と優しい表情で話してくれました。そう、まだ22歳なのです。

いくら後悔しても遅いのだけれど、というと、わたしにも当てはまります。きょう、中島宏之選手の退団も正式に発表されました。実はわたし、おそらく一度も中島選手と話したことがありません。もちろん営業職との兼務の中で、なかなか取材する時間もないだろうと、一対一に持ち込めそうなチャンスを逃してきた自分への言い訳をしていました。でも、9月に入り、だんだんと「通算1928安打の一流選手がドラゴンズにいるのに、取材をせずに終わっていいのだろうか」という疑念、というか、もったいないという気持ちが湧いてきました。そこでわたしは9月からナゴヤ球場へ時間を作っては通い、そのチャンスをなんとか作ろうとしました。

が、ついに最後まで取材することはできませんでした。あのとき声をかけておけば…と後悔するばかり。9月になって複数の関係者から「インコースの捌き、若手とは全然違う。こういう風にバットを使えばいいのかと感心した」とか「良い状態まで待って使っていたらきっと結果が出ていた」と話を聞くと、わたしはともかく、若手選手たちが中島選手との時間をこれからに活かしてほしいと思うばかり。

わたしは49歳になっても、そんなことの繰り返しです。

5選手が野球を続けるのか、いや、続けられるのかはわかりません。でも、次のステージでも「元プロ野球選手」「元ドラゴンズ」として活躍してほしいと心から願っています。

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