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直球勝負!大澤広樹

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『加藤翔平 楽しみながら、緊張しながら』 日々

きょうは休日ですが、どうしてもナゴヤ球場へ行きたくて、2軍戦前に顔を出しました。今季限りで引退する田島慎二選手にあいさつをしたかったんです。

たしか8月26日だったでしょうか、田島選手とナゴヤ球場で話をしていたときに突然「大澤さん、僕、ことしでおそらく辞めます」と言われました。そして9月4日、田島選手から電話がかかってきました。もう用件は聞くまでもありません。9月16日、新聞などで報道されて公になりました。それから一度も会えていなかったんです。辞める前に直接「お疲れさま」とやっと伝えることができました。


サイン会をする田島慎二選手


田島選手の引退試合は10月5日。また後日、このブログで書きます。

広島に移動する前の福谷浩司選手と、ちょっと長い時間をいただいてあれこれ伺っていました。すると、そこに田島選手と同じく今季限りでユニホームを脱ぐ加藤翔平選手がやってきました。福谷選手と加藤翔選手は同じ学年になります。そこから3人での会話が始まりました。福谷選手からの第一声、「髪、黒すぎるんじゃない?」。



加藤翔選手は「プロ野球人生のスタートは黒髪だったんで、最後も黒髪でと思って染めたんです。思った以上に黒くなりました。一年くらいはこの黒さが続くみたいです」と笑って教えてくれました。

時々、わたしがXにポストした「ユニホームを真っ黒にして、すごく野球を楽しんでいるように見える」という思いを伝えてみました。日焼けして白い歯が一層目立つ加藤翔選手は「そうなんです、すごく楽しいんです。野球を始めた頃のような気持ちです。真っ黒になって。でも、楽しいと思える気持ちって、辞めると決めたから味わえるんです。現役の頃、なかなかそんな気持ちにはなれません」。福谷選手も「そうそう、そんな気持ちで野球ができたらもっといい結果が出るような気がしますけれど、楽しむところまでなかなか辿りつかないんです」と共感していました。

引退する選手がよく口にする「若手を応援するような気持ちが出てくるようになってしまった」という言葉。加藤翔選手にも聞いてみました。「そうなんです。いま、一軍の試合を観ていても『ブライト良かったな』『鵜飼良かったな』という気持ちしか出てこないんです」。その一方で、こんなことを言っていました。「僕が若い頃、ベテラン選手が2軍戦でセーフティバントをしたりするのを見て、『なんでそんなことをするんだろう、打って結果を出した方が一軍に近いのに』と思っていました。僕も夏前まで、セーフティバントを試合ですることはほとんどありませんでした。でも、最近はすごく増えたんです。理由? 若手に見てもらいたいんです。辻本や津田に、このタイミングでセーフティバントをすると効果があるんだよ、というのを見て学んでほしいというか、なにか役に立ててほしいというか。自分が引退が近くなって、2軍戦でセーフティバントをするベテラン選手の気持ちがわかりました。見せているんだ、と」。この加藤翔選手の意図、思いに気づいた福田コーチが、ミーティングで若手選手に「翔平のセーフティバントのタイミング、良く見ておけよ」と伝えたそうです。

今季、一度も一軍昇格がなかった加藤翔選手。福谷選手もなかなかチャンスがなかってひとり。野球選手は「あっ、そういうことか」と敏感に気づいてしまうものです。加藤翔選手は「2軍の開幕3連戦、僕は一打席も立ちませんでした。あっ、そういうことか、と思いました」。まだ開幕したばかり、それでも野球選手は、特に長くやっている選手ほど、気づくんです。福谷選手も「2月のキャンプの頃に、もううっすらと感じたりするものです。あとはそこからどうやって気持ちを保つか、チャンスを待てるかなんです」と言葉を重ねていました。

加藤翔選手は、福谷選手と松葉選手が同学年です。「福谷があの立場からいまローテーションに入って3勝ですよ! 松葉も5勝。2人が投げている試合は、いつも以上に応援しています」。

加藤翔選手と福谷選手、大学時代にはお互いの名前は知っていたものの、話したことはなかったそうです。「全日本などで一緒だったんですが、みんながバスの中で携帯いじったりしている中で、ひとり【脳トレ】をやっていたんです。やっぱり違うなあと思いました」と加藤翔選手が言うと、福谷選手は「みんなその話をするけれど【脳トレ】はバスではやってないって!」と否定しています。楽しそうに笑い合う2人は、ドラゴンズで仲間になりました。



最後にちょっと話を戻します。「野球を楽しんでいる」と言った加藤翔選手。でも、楽しめない、緊張する場面はやはりやってきます。「ありがたいことに、最近、僕の名前のタオルを持って応援してくれる方がたくさんいるんです。スタメンの日はいいんですが、途中出場で一打席しかないときには『タオルを持って応援してくれている人がいるんだから、なんとか打ちたい。いい結果を出したい』と、緊張して力が入ってしまうんです。走塁や守備はいいんですが、応援してくれるファンのことを思うとどうしても打席で力が入って…すみません」と申し訳なさそうに話す加藤翔選手。それを横で聞いていた福谷選手は「ちょっといい話すぎるなあ〜」とこちらは笑顔。

加藤翔平選手の残り少ないプロ野球選手生活、皆さんも目に焼き付けてください。真っ黒な髪で、真っ黒に汚れたユニホーム姿で、「ファンのために」と緊張しながら打席に立っているはずです。

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