『王位戦第1局大盤解説会』 日々
藤井聡太王位(七冠)の大逆転勝ちの余韻にまだ浸ったままです。信じられません。
きょうは王位戦第1局の大盤解説会で司会を務めました。
2日制で行われる王位戦、1日目を終えても、きょう午前を過ぎても、局面は膠着したまま。そんな中、午後2時に大盤解説会は始まりました。中日ホールには約600人、入場券は前売りで完売しています。
立会人・藤井猛九段、副立会人・高見泰地七段に、解説には石田和雄九段、杉本昌隆八段、柵木幹太四段、室田伊緒女流二段、野原未蘭女流初段という顔ぶれでお送りしました。
わたしは「司会」なので、そんな前に出ることもなく、時間をキープしながらきちんと大盤解説会を進めていました。しかし、途中で室田女流二段と柵木四段が「じゃあしばらくは杉本先生と大澤さんの2人にお任せします!」とステージを降りていきました。えっ、そんなこと全く聞いていない!台本にない!こちらは将棋は素人だ!と驚きましたが、そんなことは関係がありません。喋らなければいけないのです。僭越ながら、杉本先生に助けていただきながら、大盤解説の聞き手を務めました。杉本先生も、室田先生も、柵木先生も『聴く将棋』に出演してくださった皆さん。ハメられたなあ〜(笑い)。でも、貴重な経験をさせてもらいました。これから、しっかり将棋を勉強し直します。
そんなこんなで時間は過ぎていきますが、相変わらず勝負は進まず、なんと午後3時44分に千日手(指し直し)になりました。まさか12時間かけて千日手、指し直しとは…。先手、後手が入れ替わり、持ち時間が再計算され、午後4時14分に再対局が再開しました。
今度は心配なのが「いつ終わるのか」。中日ホールは夜8時までの利用となっていました。あと4時間で勝負はつくのでしょうか。ドキドキしながら指し直し局の大盤解説会を進めていきました。
解説者の皆さんも入れ替わり立ち替わりステージに立っていただきましたが、夜8時15分、投了を待たずにタイムアップ。まさか決着の瞬間を、皆さんと迎えることができないとは予想していませんでした。
最後までお付き合いいただいた石田先生、野原先生、ありがとうございました。
しばらく控え室で、3人で対局を観ながら「これは渡辺九段の勝ち」という結論が出たところで、中日ホールを後にしました。
そろそろ終わったかなとXを開いてみると、なんと藤井王位が逆転しているではありませんか! AIの評価値では渡辺99-1藤井だったのに、あっという間に渡辺1-99藤井に。最後まであきらめないとは言いますが、それにしてもこんなことが起こるのかと、恐ろしくなりました。
午後2時スタートの大盤解説会、5時間くらいは立ちっぱなし。さすがに足がパンパンです。疲れた、楽しかった、将棋はやっぱり面白い。いろんな思いを噛み締めながら、ブログを書いています。
余談ですが、わたしが昨年の王位戦第1局大盤解説会で初めてお会いした名古屋市出身の高見七段。なんとなく話しやすく、なんとなく波長が合い、昨年の出会いを機に応援していました。ことしも高見七段が副立会人として、前夜祭にも大盤解説会にも参加してくださったので、写真を撮っていただきました。やっぱりなんか喋りやすい(笑い)。いま順位戦ではB級1組に所属する高見七段、A級へ、さらにはタイトル戦への登場を楽しみにしています。
前夜祭、大盤解説会と、ことしも充実した時間を過ごせました。参加していただいた皆さんに喜んでいただけたのであれば、わたしもうれしいです。