『追分羊かん』 日々
きのう、妻がもらっていた「追分羊かん」。静岡県静岡市清水の羊羹。東海道三百年の味。昔ながらの「THE 羊羹」というもので、おいしくいただきました。
何気なく食べてしまい、写真を撮ってはいないので、「追分羊かん」のホームページから写真を引用します。これは「一口羊かん」。
なぜ食べ終わった後に「これはブログで紹介しよう」と思ったのかと言いますと、同封されていた紹介文が面白すぎるからです。
静岡県静岡市(旧清水市)出身の詩人・長田恒雄(1902年12月17日 - 1977年3月30日)が「追分羊羹について」と紹介文を寄せています。ご紹介します。
「(追分羊かんは)見たところは貧弱だし、およそ近代の食料品という感じはしないし、その味も人を馬鹿にしたような淡々としたものである…この羊羹のような古めかしい野育ちのものに…」
なかなかな厳しめな紹介文だと思いませんか?
しかし、「こんなものが余り人に知られず三百年の歴史をひそめてしずかに生きているところに、私は何か日本のいのちのようなものを感じさえする」「してやられた、ようなうまさと言ってもいい」と一転して絶賛しているのです。
これは名文章にして、見事な紹介文ですよね。食べてみたくなりませんか? 「名物にうまいものなし」というがこれは例外だと長田氏が紹介している「追分羊かん」。きのう食べたのに、わたしはもうその味を確認してみたい気持ちになっています。