『名古屋最終章』 日々
きょうがドラゴンズは今季最終戦。「名古屋最終章」です。そして今季限りで引退する谷元圭介投手、大野奨太捕手、堂上直倫内野手、福田永将内野手の引退セレモニーが行われます。練習中の、選手、スタッフが4選手の引退記念Tシャツを着て汗を流していました。
堂上選手や福田選手は入団した18歳から取材させてもらってきました。2人とも同じシーズンに引退。堂上選手は中学3年生の時、「ドラゴンズファン感謝デー」で、福留孝介選手(当時)からレフトへホームランを打ちました。その時、場内の実況を担当していたのがわたし。ついにこの日がやってきました。
福田選手。ことし一月、ナゴヤ球場で取材した時のことです。沖縄での自主トレから名古屋に帰ってきた福田選手に、手応えなどをお伺いしました。「バッティングの感覚はかなりいいです」という福田選手。ではキャンプ楽しみだね?と話しを向けると、なぜか口籠るんです。んんん?
「言わないでください、実は膝をやっちゃいまして、予定を切り上げて戻ってきたんです」。このとき、話しを聞いていたのは中日スポーツ土屋あいり記者とはわたしだけ。「わかった、黙っておくよ」と3人で約束し、福田選手の膝がなんとか持ち堪えてくれるよう祈っていました。しかし、キャンプ中盤に膝は悲鳴を上げ、月末に手術。3月、ナゴヤ球場で松葉杖をつく福田選手が、わたしに近づいてきました。「大大澤さんも黙っていてくれたのに、ダメでした。すみません」と謝ってきた福田選手。なにも謝ることなどありません。怪我に泣いた福田選手ですが、あなたの美しいホームランを何度も実況させてもらったのはアナウンサー冥利に尽きます。
大野奨太選手、谷元選手の2人も、ファームでも若手に混じって声を出し、汗を流していた姿がとても印象に残っています。わたしも歳を取り、キラキラ輝く若者たちももちろんなのですが、出番が減ってきても歯を食いしばって笑顔を見せ、汗を流すベテラン選手たちに注目するようになっていました。きょう引退セレモニーを迎える4人、最後までその姿を応援してきたつもりです。
4選手、お疲れさまでした。今までお世話になりました。ありがとうございました。