『小笠原慎之介 白湯を飲む』 日々
きょうはドラゴンズの練習取材のためにバンテリンドームナゴヤへ。小笠原慎之介、柳裕也、高橋宏斗、福谷浩司、鈴木博志選手が調整しました。あした、先発が予想された大野雄大選手は練習に姿を見せず、体調不良で出場選手登録抹消に。ドラゴンズはさらに厳しい状況になりますが、まだ始まったばかりです。今週はナゴヤで5試合。立て直しのきっかけにしてもらいたいです。
わたしは、小笠原選手に話を聞きたいと思っていました。練習終わりの小笠原選手に「ちょっといい?」と声をかけます。そこから話す話す約45分(笑い)。小笠原選手、ありがとうございます。
まず、開幕戦の涙の145球について、本人に聞いてみたかったんです。
感動したという声や、投げさせ過ぎだという声もあり、ファンの間でも意見はいろいろある145球になりました。わたしは6回で交代すると思いながら、試合を観ていました。驚きと、心配を持ってテレビ中継を観ていたひとりです。
小笠原選手「あの日、80球を超えたあたりから、スコアボードに表示される球数を見ていませんでした。だからいま何球投げているか知らなかったんです。気づいたら145球でした。試合に入ったら、100球でも120球でも140球でも、疲れは変わらないです。140球を何試合も続けてずっと投げていれば疲労が蓄積してくると思います。でも、シーズン最初の試合ですし、いまもまったく体調面で変わったところはありません。それより反響がすごくありました。その中でも一番嬉しかったのは、東京ドームに応援に来てくれた友人から「野球ってこんなにみんなが必死に勝ちに行こうとしているんだと感動した」というLINEです。WBCだけでなく、公式戦でも野球って面白いと思ってもらえた。これが一番嬉しかったです。2度目ですが、開幕投手はめちゃくちゃ緊張しました。眠れない、食べられない。試合当日、朝9時におかゆを食べたのが最後でした。それくらい緊張しました。周りからはそんなに緊張しなくていいだろうと言われました。試合後の焼肉、本当においしかったです(笑い)。難しいことかもしれませんが、こんな気持ちで1年間、毎試合を迎えられたらいいと思っています」
最近、競技を問わず若い選手が大きな舞台で結果を出した時、「緊張はあまりしませんでした」と話していることをよく目にします。それが本音ならその通りなのですが、小笠原選手のように「緊張した」とはっきり言えるのもすごくカッコいいと思います。
そして、ご存知のファンの方も多いでしょうが、小笠原選手は体づくりの一つとして、朝晩はずっと肉を食べています。ローストビーフが中心で、時々鶏肉。
「鶏肉だとどうも練習に向かうやる気が起きないから、牛肉が中心。僕には牛が合っています」。毎日、肉を食べると相当な量を消費しますが、大型量販店などで肉の塊をまとめて購入。その肉を捌くための牛刀を持っているそうです。この牛刀、岐阜県関市のふるさと納税の返礼品だそう。その牛刀で肉を捌き、肉を食べ、筋力トレーニング。わたしからは「バファローズ戦の先発を志願したほうがいい」とアドバイスしておきました(笑い)。
もうひとつ小ネタ。
「いま、朝起きたら白湯を飲んでいます。歯を磨いた後、白湯で体を温めてから体を動かした方がいい。内臓を感じるんです」。体にいいとは聞きますが、小笠原選手が毎朝、白湯を飲んでいるとは!
ラクロス用のスパイクシューズで練習をしたきっかけだったり、話は多岐にわたります。本当に貪欲で好奇心が旺盛で、それを実行するエネルギーがある小笠原選手。話し続けていたら45分ではとても終わりません。ブルキナファソへの野球用具の寄付もそう。彼の行動力をわたしは尊敬しています。
次の登板は金曜日のジャイアンツ戦かな? わたしは実況担当です。野球の面白さを体現するピッチング、楽しみにしています。