『笠松競馬再開』 日々
笠松競馬所属騎手や調教師による勝馬投票券の不正購入などの不祥事が続き、岐阜県・笠松競馬場は開催自粛が続いていました。そしてきょう、約8か月ぶりに、無観客の笠松競馬場にファンファーレが戻ってきました。関係者の生活が苦しかったであろうことは容易に想像できます。それでも再開することを信じ、開催にこぎつけました。
一連の不祥事で騎手8人、調教師5人が笠松競馬場を去りました。残った所属騎手は9人。笠松競馬場はフルゲート12頭です。つまり、フルゲートになると騎手が足りません。しかしきょうは名古屋競馬から「助っ人」騎手が来てくれました。そして初日のきょうは2つのレースがフルゲート12頭立てで組まれました(第2競走は1頭出走取り消して11頭立てになりました)。競馬の主役である「馬」の問題もあります。笠松競馬所属馬の約100頭が、他の競馬場に移籍してしまいました。きょうはもっと出走馬が少ないかなと思っていましたが、関係者の努力で多くの競走馬が姿を見せてくれました。
私は岐阜が好き、競馬が好きです。笠松競馬場には何度も通いました。そして仕事でも「笠松競馬秋まつり」にMCとして携わらせていただきました。まだアナウンサーとして駆け出しのころには、競馬実況の練習のために、競馬場側のご厚意で実況席をお貸しいただいたこともあります。今回の長い開催自粛に、私は胸を痛めていました。でも、これだけの不祥事を起こしたのですから当然に必要な自粛期間でした。そして、よくぞもう一度、競馬を開催できるところまでこぎつけました。
もちろん騎手、関係者の不正行為で開催自粛になったわけですから、「もう笠松競馬の馬券は買わない」という競馬ファンも一定数存在することは間違いありません。そうしたツイートもよく目にしました。その気持ち、私も競馬ファンですからよくわかります。この「裏切られた」という思いを払拭することは大変に厳しいでしょう。でも、笠松競馬にできることは「真剣勝負」を見せること、エンターテインメントにふさわしい競馬を見せることしかありません。馬主、騎手、調教師、そのほか関係者が力を合わせ、英知を結集し、この難局を乗り越えてほしいとこころから願っています。
笠松競馬の存在を競馬ファンに「無視」されたらおしまいです。競馬場側の人間でない私が言うのもおこがましいのですが、競馬ファンの皆さんには優しく、また厳しく笠松競馬を見つめていただければと思います。