『2002年4月、広島市民球場で』 日々
今季限りでの現役引退を表明した
広島・前田智徳選手。
あしたの中日戦で打席に立つ予定ですが、
「ゴロで走るのは避けたい」という
『中日スポーツ』の記事を読んで、
鮮明に思い出した事件がありました。
2002年4月6日、広島市民球場。
広島対中日の実況中継を、
1塁ベンチに一番近い放送席からお送りしていました。
8回裏のことです。
実況している私のすぐ後ろで、
怒鳴り合いが始まっていたのです。
私はもう気が気ではありません。
声の主は
前田選手とルイス・ロペス選手。
この日、
ロペス選手が2安打するも、
ともに二塁走者だった前田選手が本塁に突入せず、
ロペスからしてみれば
2打点を損した格好になりました。
その前田選手の走塁に不満を抱いたロペス選手が、
前田選手を突き飛ばしたのです。
実はこの時、
私は
「僕の、中日寄りの実況に
広島関係者が苛立って、
怒鳴り込んできたのでは!?」と
かなりビビったのでした。
ところが、私の後ろで取っ組み合いをしているのは、
前田選手とロペス選手だったのです。
足に「爆弾」を抱える前田選手が
そのとき悔し涙を流したと知ったのは
試合後のことでした。
いずれにせよ、
2人の修羅場を一番近くで目撃してしまったのが
私だったのです。
そのほかにも、
打撃投手のボールに不満だったのか、
それとも自分の打撃に納得がいかなかったのか、
練習中に大声を出して引き揚げてきた前田選手を
何度も目撃したことがあります。
「天才」と形容される前田智徳選手。
これも天才ゆえの行動でしょうか。
ケガがなければ、
どれだけの成績を残したのでしょう。
あしたの試合、
本人の希望通りに「ファウルフライ」となるか、
注目しています。