気まぐれ映画評『ダーク・シャドウ』 気まぐれ映画評
気まぐれ映画評、
第2回は5月19日に公開になりました
『ダーク・シャドウ』です。
ティム・バートン&ジョニー・デップのコンビ。またか、という気がしなくもないのですが(笑)、それでも見てしまうのは、私が好きな「毒のある笑い」があるからです。200年も棺桶の中にいた、かつての街の有力者、吸血鬼バーナバス・コリンズ(ジョニー・デップ)が、元使用人の魔女アンジェリーク(エバ・グリーン)と闘っていくというストーリー。
「本物の財産は家族だけ」という父の教えから、コリンズ家再興の為にバーナバスは頑張ります。が、元はと言えば、バーナバスが使用人を弄んだせいで吸血鬼にされてしまったという。自業自得でもあります。200年の時差で、時代の流れに全くついて行けない(そりゃそうだ)バーナバスの変な言動も笑えます。200年の時を超えて、再び関係を持ってしまうバーナバスとアンジェリークのプロレス(笑)はこの映画の大きな見せ場です。男の意志はかくも弱いか、200年も閉じ込められていたのに。
家族それぞれが秘密を抱えるコリンズ家、エンディングに向けてそれぞれの秘密が明らかになっていくのは、「え!そうなの!」の連続です。でも、『チャーリーとチョコレート工場』のような棘、皮肉が弱くなってきちゃった気がします。その分、気楽に安心して観られますけれどね。
(原題「DARK SHADOWS」)
(アメリカ/ティム・バートン監督/ジョニー・デップ、エバ・グリーン、他)