沖縄の鉄道 info
沖縄県は長らく日本で唯一「鉄道」がない県でした。
しかし、2003年8月10日那覇空港〜首里間、12.9Kmの
モノレール「ゆいレール」開業で沖縄にも「鉄道」が開業しました。
モノレールは法律上「鉄道」なのです。
戦前は今の那覇空港から市内中心部に向かう際に必ず通る
旭橋に程近いバスターミナルに「沖縄県営鉄道」那覇駅がありました。
ここを起点に現在アメリカ国外では最大の基地、嘉手納エアベースがある
嘉手納町を結ぶ嘉手納線や、那覇から太平洋側へ向かう与那原線などがありました。
もちろんモノレールではなく、SLや気動車で運転される鉄道で
レール幅はJR在来線よりも狭い「特殊狭軌」で、当時日本各地に点在した
「軽便鉄道」と呼ばれるものでした。
この軽便鉄道、この地方でも近鉄の内部線、八王子線がこれに当たります。
ちなみに当時の沖縄では「ケービン」と呼ばれていたそうです。
沖縄戦が始まる直前1945年3月には戦争の激化で運行停止に追い込まれ
4月からの沖縄戦で車両や駅施設はもちろん、線路に至るまでことごとく破壊されました。
戦後、アメリカの占領が始まると線路が敷設されていたところを米軍が
巨大なブルドーザーで一気にならして道路にしてしまいました。
これがハイウエーNo.1,、今の国道58号線です。
実に58年ぶりに沖縄に復活した「鉄道」ですが、一般の人には
鉄道=モノレールということがいまひとつピンとこないようで
若い人と話しをすると「沖縄には鉄道がないから」と言う人が
今でも少なくありません。
3両編成のかわいいモノレールですが、台風が多い沖縄の風土を考慮し
風に強い袴座式(羽田空港と浜松町を結ぶ東京モノレールと同じ)が
採用されています。
那覇中心部のホテルに泊まられる場合はゆいレールも便利です。
観光客の利用はあまりないようですが、沖縄へ行かれる際には
一度試してみてはいかがでしょう。