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引退 NO SPORTS NO LIFE

同じ年に生まれた二人の選手が今年ドラゴンズのユニフォームを脱ぎます。

小笠原孝投手 繊細な投手でした。小さな体、速球がない中、いかに打者を抑えるかを若いころから真剣に考えていました。山本昌さんから常に多くを学ぼうとしていました。私が見てきた投手の中でもっとも“ボールの回転”にこだわる一人でした。セットに入った時の背中の数センチの傾きに気を使っていました。プロ入りしてすぐに「スクリューがうまく投げられない」と悩み、山本昌さんに真剣に相談したとき「カーテンを閉めてみろ。そのときの手首の感覚だ」とアドバイスされ何度も真剣にカーテンを閉めていました。投手はボール製造工場といいます。彼を見ていると黙々といいものを作り出す日本の職人そのものでした。

英智選手 一言でいえば“やさしい男”でした。若い時出場した東京ドームフレッシュオールスター、スピードガンコンテストで確か140後半を出し投手以上のスピードをマークしました。バッティングに日々迷いを感じ自分と向き合っていました。でも彼を輝かせたのはご存知守備です。一流の外野手は数多くいます。でも“魅せる”外野手は多くはいません。彼は“魅せた”最高の場面で最高のプレーを出せる男でした。美しかった。「取ればいいって物ではない。常に投げる事を考える。体の中心から離れたところで捕球してもスローイングはうまくいかない。大事なのは体幹。体の中心に近いところで取ればスローイングに力がすばやく入る」
細かいことを常にイメージして日々取り組んでいました。背番号が24に変わった時も「みんな24って数字は好きでしょ?マックだって24て書いてあったらなんだか嬉いでしょ」とわけのわからない事をいっていました(笑)

二人との思い出を書き出せばきりがない。我々も実況アナウンサーとしてデビューする前は2軍戦で日々練習の毎日を過ごします。彼らと多くの時間をナゴヤ球場で過ごしました。歓喜の瞬間を実況する事が私の仕事の醍醐味なのかもしれません。しかし、彼らの現役という“生き様”を近くで感じられたのは私にとっての財産であり最高の醍醐味でした。

おがっさ、ひでちゃん。お疲れ様でした。そして、ありがとう。

こーへいちゃん(ODA)にその時が来たらまた書きます(笑)

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