探偵ではないがBARにいる 定期列車
5月14日。「カクテルの日」の翌日、カズテルはBARにいた。
岐阜市にある「バロッサ」。好きなBARだが訪れるのは3年ぶりだ。
夜討ち朝駆けの暮らしも楽ではない。
カクテルの日特別メニューがあると聞いて注文する。
バーテンダーの中垣繁幸は日本でも三本の指に入る腕前。
事実、国際大会「ワールドクラス2013ジャパン」の
ファイナリスト10人に、3年連続で名を連ねている。
競技の一つに6分間で6杯のカクテルを作るというのがある。
それを店舗でも再現する試み。大会への腕試しともいえる。
俄に緊張が走る中垣。真剣な表情で長短6つのグラスを並べた。
「スタート」の掛け声とともに手を動かし、カウンターを歩き回る中垣。
リズミカルで無駄のない動きはカメラでは捉えられない。
静止したのは最後の最後、カクテルを注ぐ瞬間だった。
5分16秒。予定より早く6杯ができあがる。
ウィスキーサワー、アフィニティ、ネグローニ、ブロンクス、
ウオツカマティーニ、テキーラ・カイリビーニャ。
荒削りだが作り手の鬼気と迫力がみなぎる。
ぐいと飲んでぐるりと酔うのが礼儀というものだ。
大会は6月。1名が地中海での世界大会に進む。応援あるのみ。
(文中敬称略)