忘れる、守る。 定期列車
2022年1月17日5時46分、西の空を見る。
阪神淡路大震災から27年。忘れそうな自分を何とか押しとどめている。
そんな気持ちを見透かしたように今回神戸市中央区の東遊園地に灯された炎には「忘」という文字が浮かぶ。15日に発生したトンガの大規模噴火による津波は日本にも押し寄せた。けたたましく鳴る携帯電話のアラームに家族や自分を落ち着かせたが、仕事場に向かわねばという気持ちにはならなかった。休み中だったとはいえ何かを忘れていた。
きょうの抽斗のテーマは「災害からあなたは何を守りますか」。自分自身、家族、財産、思い出の品…街頭インタビューに答えた国家公務員と思しき女性が一言「国民」と答えて去っていった。カッコよかった。「マスコミはいったい誰のもの?」番組でシンガーが問いかける。ラジオの使命を果たすのか。家族の命を守るのか。何を、誰を守るのか。正解はなくても考えつづけることだろう。たとえカッコ悪くても。