二十歳の集い 定期列車
成人式に出たあなた、出ていないあなた、二十歳のあなた、二十歳未満のあなた、二十歳を過ぎたあなた、おめでとうございます!
10日、数年ぶりに愛知県犬山市の成人の日を取材しました。
「新成人の集い」は「二十歳の集い」に変わり、会場だったホテルは閉館して市の施設に変わり、市長が僕より若い人に変わり、新型コロナで世の中が変わり、やがて成人年齢が18歳に変わり…これだけ変わっても新成人たちが作り上げ、かつての新成人たちがバックアップするスタイルは変わっていませんでした。
このスタイルになったのが2001年。「荒れる成人式に税金を使う意味はあるのか」当時の市長が市主催の成人式廃止を打ち出してから開催までわずか1ヶ月。急遽新成人による実行委員会が組織され、ホテルの宴会場を使った会費制の立食パーティーを作り上げました。再会の喜びで騒がしくなるのを逆手に取って大成功。以来この方式が踏襲されてきました。
ところが会場だった名鉄犬山ホテルが閉館。2020年からは市のホールに場所を移しました。そしてコロナ禍。今回は数日前までギリギリの決断を迫られた実行委員たちでしたが市長のツルの一声で予定どおり開催。「出席した人の意志も欠席した人の決断も尊重したい」市長のスピーチが胸を打ちました。二部制による密回避、ソーシャルディスタンス、二次会禁止の呼びかけ…さまざまな工夫を凝らしてきょうに漕ぎつけました。着席で静かな集いになりましたが、出席者からは「来てよかった」との声が多く聞けました。実行委員からも「できてよかった」の声が。
第1回のときに生まれた人たちが20歳を迎えた今回。集いにとっても「成人式」でした。成長は一筋縄ではいきませんが、初回から集いそのものが育つのを見てきた者にとっては感慨もひとしおです。実は取材に来るたびグッとくるんです。今回もそうでした。
「最初の会議から1年半。ずいぶん試されましたね」と笑う実行委員長。大人や時代に翻弄されても自分たちなりに考え悩んで問題を解決する。そんな新成人たちを見ているとこちらこそいつも試されている気がします。