人のご縁とひきだしと 定期列車
『源石和輝 ひるカフェ』、3年間774杯ありがとうございました。
開始当初は12時からの1時間番組。毎日30分間一人しゃべり、というラジオ界でも類を見ない試みに偉い人から何度も聞かれたものです。「できるのか?」「できますよ」。サラリと答えていましたが、最初の1週間が終わるまでは確信が持てないでいました。支えてくれたのはネタを提供するスタッフ、週1回さまざまな角度から刺激をもらえる金曜パートナー、そしてラジオの前のリスナーでした。CMも曲もない30分に慣れてくれば気持ちもゆったりとするもので、これまでマシンガントークが信条だった自分自身に新たな一面が加わりました。ゲストにとっても心地よいひとときに映ったのか、セールストークにとどまらない人となりや本音が聞けたのも収穫でした。ミュージシャン、小説家、俳優、経営者、学生、医者…分野も多彩でした。こうしたこと一つひとつが人の輪を広げ、ひきだしを増やしてくれました。最後の半年は35分番組に短縮されましたが、コロナ禍でリモートゲストが増え、顔を想像しながら話を聞く愉しみもできました。
杉浦さんとは楽曲制作、鹿目さんとは演劇出演、大竹さんとは出版のお手伝い、小川さんとは共同研究、西川さんとは落語挑戦。ひるカフェ以前からあったご縁をラジオで形にしたい。それが結実したのが金曜パートナーでした。パートナー同士のつながりもでき、より人の縁が広がりました。
取材を受けた雑誌『GALAC』にこんなことが書かれていました。帯番組はパーソナリティ一人では作れない。スタッフ、パートナー、ゲスト、リスナーがゆるやかにつながって音を紡いでいる、と。新番組『源石和輝!抽斗!』でも人と音を紡いでゆきます。
パートナーたちはひきつづき『抽斗!』に登場します。平日15時に移っても変わらぬご愛顧をお願いします。