帰り道、桜を愛でた。
たった数日前のことが昔語りになる。
スタジオにアクリル板が持ち込まれた。
テレワーク収録が始まった。
家族ゲーム食堂が現れた。
幸いなことに、あるいは不幸なことにこの稼業は最後まで出つづけなければならない。緊急事態にあっても「国民の安定的な生活の確保」に努めるのが使命だから。モノやカネをばらまくことはできないが、情報や娯楽をふりまくことならできる。しぶとく、たのしく、たくましく。非日常のなかの日常を模索しながら、さまざまな思いを呑み込んで前へ進む。「おまえなど要らぬ」と言われるその日まで。