録音風物誌「伊勢湾台風60年 まちの語り部」 定期列車
1959年(昭和34年)の伊勢湾台風からまもなく60年。被害の大きかった名古屋市港区で当時の人びとの体験談を今に伝えるプロジェクトが、まちの活性化を図る「港まちづくり協議会」によって進められています。語り部は地元在住の西川みどりさん(66)。持ち前の明るさと名古屋弁、民謡で鍛えた声であのときの状況を生き生きと映し出します。全国のAMラジオ局が加盟する火曜会が制作する『録音風物誌』。東海ラジオ制作分が9月1日(日)6:00から放送されます。
「屋根があらへんぞ!」家々が水没したのを海から目撃した船員。「こりゃ大変だがや!」自宅の水位が上昇する中家族を脱出させるためトタン屋根を素手で破った父親。警報が出ていたのに悠長に構えていた台風襲撃前の様子。聞き書きによって綴られた住民たちの体験談を朗読するみどりさん。自身も小学1年のとき伊勢湾台風を経験しました。「何も怖くなかった。怖さを知らなかった」と前置きしつつ、冠水した通りを歩いていたらマンホールにはまったり、戸板に載せられた遺体をそうとは知らず見てしまい父親に叱られたエピソードを語ります。「伝えていきたい。経験しているからしゃべれる。生き字引になっていくのかな」。明るさの中に決意を帯びたみどりさんの声が印象的でした。奇しくも放送日は防災の日。同日13:00からの『東海ラジオ防災特番』とともにお聴きください。
■録音風物誌
9月1日(日) 6:00-6:10
※火曜会加盟各社で8月26日から9月1日まで順次放送
のりかえ≫火曜会公式サイト(録音風物誌情報もあります)