或るアイドルの終焉 定期列車
年賀状を書かねばならないというのに、
大掃除をせねばならないというのに、
ことらとファミコンをしておりました。
妻とスマスマを観ておりました。
「SMAP×SMAP」放送開始は1996年。デビューは1991年。
この仕事を始めたころから続いてきたのはすごいことです。
この年齢までアイドルを続けてきたのはものすごいことです。
彼らとは同年代。同じ時代を生きてきたことは誇りです。
すべてが今になって気づいたことでもありますが。
メンバーの脱退や逮捕劇も赤裸々に映し出した総集編。
タブーよりも事件が優先されるアイドルは画期的でした。
アイドルそのものがメディアという点でも革新的でした。
解散の理由は憶測するほかありませんが、
赤裸々や画期的や革新的なことに疲れたのかもしれません。
「世界に一つだけの花」を歌ったあと、
他の4人に背を向け涙をこらえる中居くんが印象的でした。
妻はことらに言いました。
「この姿を焼きつけておくんだよ」
と。
妻にとってはマイクを置く山口百恵が、
源石にとっては紙テープの雨を浴びるキャンディーズが、
ともに6歳で経験した強烈な“アイドルの終焉”でした。
同じ6歳のことらにとってはSMAPがそうなるのでしょう。
今はピンと来ていないとしても。
時代を駆け抜けた人たちの記憶は、
同じ時代を歩む人たちと分かちがたく結びつきます。
旬の時期が長くなっても、会いにいける存在になっても、
アイドルは時代と時代、世代と世代を結びつけます。
少なくとも源石家にとっては。