ラジオは時空を超えて 定期列車
「ぶっつけワイド復刻版」の放送が始まった。
入社当時の看板番組であり、
初鳴き後のお披露目もここで行った。
松原アナは制作部長として後継番組を立ち上げ、
蟹江アナはアナ課長として後継者の育成に携わった。
当事者にも関係者にも聴取者にも思うところは多々あるはずだ。
むろん自分自身にも。
だがこの時期にこの番組というのは必然的な何かがあるのだろう。
7月11日午後1時。まずは厳粛に耳を傾けた。
オープニングのファンファーレから深町純「On The Move」に震えが止まらない。
テレビ東京「おはようスタジオ」やラジオ大阪「歌って笑ってドンドコドン」にも
使われた「On The Move」は、同じ曲でありながら番組によって趣を異にする。
いずれも聴き手の高揚感をかきたてる点では変わらない。
自分自身が昔に戻ったというより、昔の番組が現代に蘇った感覚だ。
レジェンドの域に達した松原蟹江コンビの声が若いのもそれゆえだろう。
いやもう入社した段階で二人は既にレジェンドだったのだが。
初心に帰ったような、励まされているような、叱られているようなひとときだった。
番組の中で届けられた永六輔さんの訃報。
ラジオに生きた永さんとの接点は全くないが、
ご時勢とあいまって自分がラジオの中でどう生きるかを考える。
夕方のTBSラジオから、永さんを笑って偲ぶ声が聞こえてきた。
2016年はラジオ激動の年。
無風の自分が少しもどかしくもある。
上を向いて歩こう。前を向いて歩こう。