南国のきたぐにへ 定期列車
お待たせしました!
きたぐに南国旅、ようやく続編です。
■前回までのあらすじ■
2012年3月12日(月)
沖縄二日目は本島をひたすら北上。
まず読谷村の宿を出て向かったのは残波岬。
ザンパザンパと音がする。シャレでなく。
隣にそそり立つ灯台。
危険な香りがするほど惹かれるものだ。
眩しい太陽! 蒼井そら青い空!! …強い風。
連日最高気温は20度に満たず、3月の沖縄にしては寒い。
狭い通路に低いフェンス。灯台の上は寒さを助長する。
この日名古屋で雪と聞き、「暖かいぞ」と脳内補正。
美ら海(ちゅらうみ)水族館。
ここは1975年に沖縄海洋博が行われた場所であり、
前回訪問した時は人工島アクアポリスが朽ち果てていた。
あの時は人影まばらな中、エメラルドの海で泳いだ。
今は嘘のように賑わっている。美しい海はそのままに。
ジンベエザメに吸い寄せられるのも人間。
これだけの水槽を作り上げるのも人間。
すごいぞ人間。
ジンベエザメを見上げる息子。
実は海底で直立するチンアナゴに夢中。
すごいぞ息子。すごいぞチンアナゴ。
脱・美ら海。
日本海と言われても信じてしまいそうな荒涼感を
国道58号線の標識がかろうじて救う。さらに北へ。
対面通行箇所が増え、那覇から遠くへ来たと実感する。
そしてここがヤンバルなのだと実感する。
もういいよ!やんばるくいなは!!
沖縄本島最北端の集落、奥。
はるばる来たのに素っ気ない名前がうれしい。
「あれ?起点は鹿児島じゃなかったっけ」
国道にちょっとうるさい人を黙らせるのが次の石碑。
本土返還への願いが、国道ひとつとっても表れている。
今年は返還から40年。
奥に二つしかない宿泊施設の一つに泊まる。
この民宿では宿泊客が囲炉裏で食事を取るのが流儀。
酒は自分で持ちこむのも流儀。
臭みのないてびち(豚足)や透き通るイカ。どれも絶品。
作務衣姿のご主人もなぜか食事に参加。
酒を片手にダジャレが止まらない。
横浜から来たアウトドア家族、一人旅の元劇団員、
那覇からのリピーター夫婦、そしてわが家。
濃い宿には濃い人々が集まる。
それをあの手この手でくすぐるご主人のトーク。
下ネタから時事問題まで、話題のセレクトも絶妙だ。
さながら深夜ラジオの囲炉裏端。
「ケケケケケ!」笑いに加わるヤンバルクイナ。
夜はケタタマしく更けてゆく。
のりつぎ≫ニュースな沖縄