そら。 定期列車
8月6日 8時15分
広島の空に散った魂を思い、
今を生きる幸運を噛み締める。
8月9日 11時02分
長崎を望み、
過ちはくりかえすのかと考える。
8月12日 18時56分
読み上げられる520人のカタカナに
命の重みと恐れを抱いた13歳の少年は、
今年坂本九の年齢に追いつきました。
8月15日 12時00分
堪え難きを堪え、忍び難きを忍び。
不安の中を生きる困難よりも、
立ち止まって考える困難を思う。
ラジオとともに戦争が始まり、
ラジオとともに戦後が始まった。
メディアを通じて愉しさを享受し、
メディアを通じて深く考察した。
そんな70年。うち43年を生きた。
この暑さは70年前と同じだろうか。
蝉の声は70年前と同じだろうか。
数多伝わる当時の音声や映像。
それだけでは分からない空気を、
五感で身体に取り入れてみる。
ほんの少し、爽やかな風が吹いた。
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