悼む酒 定期列車
7月14日は、ある人のために酒を飲む。
もう会えない人だけど、酒を酌み交わす。
積もる話が肴になる。杯はどんどん傾く。
ニュースの話もする。
この日は「歴史的な一日」となったようだ。
喜びの声を上げる人。
怒りをあらわにする人。
見てみぬふりをする人。
それぞれが引き籠って仲間を探しているようにしか見えない。
このコミュニケーション不全こそが病理ではないだろうか。
だからこの日が歴史的な一日だったとは思えないのだ。
日頃の積み重ねが表に出てきた日に過ぎない。
「バカの壁」の向こうの人に言葉は通じるのだろうか。
「バカの壁」のこちら側は居心地がよすぎないだろうか。
生身の人間を相手にしていると、日々悩む。
だからこうして時々壁を越えたところで話をする。
そうはいってもなかなか愉しいですよ、40代は。
また来年呑みましょう。 ≫のりかえ