スピリッツはあるか 定期列車
昨日朝、番組前に「ビッグコミックスピリッツ」最新号を取り寄せた。
「美味しんぼ」問題に関する識者の声、編集部の見解を知るためだ。
のりかえ≫究極VS至高
賛否両論、よく揃えたものだ。
科学者、医師、作家、政治家、役所、ジャーナリスト…
新聞は論説を、テレビは最大意見を優先する特性のため、
建前どおり多様な意見を並べにくいのが現実である。
その点ではスピリッツのほうがよっぽどジャーナリスティックだ。
今回の問題は漫画もメディアであることを証明した。
自分にも経験があるが、
情緒が事実を超えた表現はたちまち批判にさらされる。
覚悟がなければ批判には立ち向かえない。
テレビやネットの“後方射撃”で拡散されればなおさらだ。
スピリッツ編集部にはその覚悟を感じた。
自分にはあるか。再確認の機会にもなった。
ネットの力で今や誰もが表現者になれる。メディアになれる。
プロアマ問わず、不特定多数が目や耳にする自称“意見”が
どれほど感情に傾いていることか。腹が括れているかも怪しい。
そういうものに限って異論は受け容れない。
番組あてにもそのような“意見”が散見される。
正直疲れる。疲れさせることが目的なら大したものだが。
「美味しんぼ」のあと10頁にわたる文字だらけの賛否両論にも疲れた。
異論に触れるというのは何かと魂をすり減らすものである。
しかしすり減らしたものを“埋める”何かも必ず現れる。
疲れたのでもう少しスピリッツをめくる。
気まコンとじみへんが健在でよかった。吉田戦車も。