20140311 定期列車
けさの「モルゲン!!」本番後、パートナーの稲葉寿美さんが泣いた。
14時46分の空（名古屋市内）
東日本大震災から3年、仙台出身の稲葉さんには思うところが数多くある。
語ったのはほんの一部だが、ほとばしるものが抑えられなかったようだ。
気丈な姐さんの涙に言葉が継げなかった。
思えば言葉の無力さを繕いつづけた3年間であった。
被災地には2度出かけたが、今でも表現の仕方が見つからない。
例えば津波の被害の状況。惨たらしい爪痕の背後に無傷の町並みがある。
しかし映像や言葉はひどい部分だけを切り取って伝える。
廃墟と日常の対比の中にこそ、この震災が持つ凄惨さがあるというのに。
現場で復興支援にあたる大川興業の大川総裁から電話があった。
「復興が遅れている」というが、範囲が広くマンパワーも足りないようだ。
この震災の未曽有の規模の大きさ、つかみどころのなさがそこにある。
震災をきっかけに東北や原発のことを知り、語る機会も増えただろう。
私たちの最大の敵は無知、そして無知から起こる恐怖と偏見だ。
隣国から歴史認識を正されるのはまったく大きなお世話だが、
「地理認識」は今すぐにでも正さねばならないと考えている。
東北に思いをはせる前に、どこに、どれくらいの距離で位置するか。
それを知れば、震災を自分に引きつけて感じられるはずである。
私たちは忘れやすい生きものである。
日々情報を伝えていると、重要な情報でも新しい情報に上書きされてしまう。
だからせめて節目には思いをめぐらせたい。
名古屋で行われた追悼式
「追悼東北3.11」の文字
