はだかのゲン 定期列車
毎年言うが「源石」という苗字は広島由来。
昭和20年8月6日はほとんどの源石が灰燼に帰した。
父も1週間前まで広島にいた。
国民学校1年の夏休み。
広島市内の親戚宅に遊びに行っていたが、
悪の限りを尽くした挙句、「尼崎に帰れ」。
父がいい子だったら今の自分は存在しない。
その後兄たちと汽車で広島入り。
あったはずのものが何もない衝撃はいかばかりか。
結局40km離れた吉田町(現安芸高田市)にある
親戚宅まで歩き、安否を確かめたという。
1992年、吉田町訪問。当時を知る親戚に会った。
「○○は元気のええ子じゃった。でもピカで死んでしもうた」
「□□は頭のええ子じゃった。でもピカで死んでしもうた」
父が泣くのを見たのはこのときだけだ。
人間は頭がよすぎるがゆえに、
自分たちの手に余るものを作る愚を犯す。
されど犯した愚があればこそ、
人間はその愚を乗り越えることができる。
さまざまな幸運の下、私たちは生かされている。
その幸運に賭けるのも悪くない。
まずは心を裸にして。
ビストロデート 定期列車
久々に夫婦二人きりの時間ができたので、
かねて行きたいと思っていたビストロへ。
二人で喋っているといつも割り込んでくることら。
「パパとママ、おはなししないで!」
あのー、僕らお話するのが仕事なんですけど。
てなトークを二人になっても。結局主役は同じか。