大阪鉄分補給旅(4) 定期列車
大阪鉄分補給旅、完結編です。
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浜寺から電車を乗り継ぎやってきたのは南海汐見橋線。
明治から昭和にタイムスリップ…感覚がおかしくなってきました。
細いレール、短いホーム、踏切。ここが大阪市内だと言っても信じてもらえるでしょうか。
起点駅、汐見橋に到着。難波から西へわずか1キロにある「秘境駅」です。
駅名標の書体に時代を感じます。ベンチ広告のパチンコ店、電話番号が二桁足りません。
ホームは2番線まで。植込みの手入れが行き届いています。
自動改札こそありますが、どう見ても都会の雰囲気にあらず。
改札の上に掲げられた南海の路線案内図。昭和30年代で止まっています。
めくれた箇所を修復するでもなし、撤去するでもなし。
時代に取り残されたのではなく、時代を置き去りにしてきたかのよう。
それが都心の秘境駅でありつづけた所以でしょう。
高野山に向かう路線の起点として設けられたものの、ほどなく難波駅に機能を譲り数十年。
3年前に難波から伸びてきた阪神電車の駅名も、汐見橋ではなく「桜川」を名乗ります。
ここに来たのは昭和63年以来。周囲の環境が変わっても、孤高のターミナルは不変でした。
大阪鉄分補給旅(3) 定期列車
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路面電車、阪堺電軌の浜寺駅前。何の「駅前」かというと…
南海電車の浜寺公園駅。
明治40(1907)年建築の私鉄最古の駅舎。国の登録有形文化財です。
設計はレンガ造りの東京駅と同じ辰野金吾。しかも東京駅より古い!
高級住宅街、かつての海浜リゾート地の玄関口にふさわしい佇まいです。
駅舎向かって右の一等待合室は、ギャラリーとして市民に開放されています。
暖炉や椅子は当時のまま。
柱のくびれが織りなすシルエット。冷たい外気もやわらかくします。
反対側の東口駅舎もコンパクトながらモダーン。
書体もモダーン。萌えました。
上りホームは通過線の途中から待避線が分岐する珍しい構造。
高架化が決まったため、まもなく見納めとなります。駅舎は残すとのこと。
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