大船渡・陸前高田へ どうってこともないけどさ・・・
8月17日、18日、岩手県大船渡市と隣りの陸前高田市を原アナと訪れました。
壊滅した街は、がれきが撤去された更地になり、雑草が生えています。
ちょうど一年前と全く同じ風景です。
余りにも大きく広い被害、復興のスピード感の無さ、行政と民意とのズレ。
被災者の焦りや失望が増しています。
災害復興住宅建設の遅れ、建設禁止区域になった自分の土地に戻れない、
二重ローンも組めないなどの様々な事情があり、
先の見えない仮設暮らしに、重い不安がのしかかってきています。
経済力のある人はなんとか前に進んでいますが、無い人には選択肢さえありません。
平時の格差を震災が残酷なまでに広げています。
復興なんてとても言えない状況です。
観光客がやって来る奇跡の一本松から見た陸前高田市街地は、広大な更地です。
ここに人々の暮らしがあったのですが、いまでは想像さえできません。
見てきた光景、うかがった話を元に、9月1日(日)15:00~16:00「防災特番」を放送します。
夏の旅 どうってこともないけどさ・・・
8月8日から、家族4人で広島、出雲大社をめぐる2泊3日のドライブ旅に出ました。
9日には平和記念公園を訪れました。子供達それぞれに少しは何かを感じたようです。これから価値観をつくるのに意義のある見聞になれば、連れてきた甲斐があります。
私が学生の頃もそうでしたが、近現代史の授業が駆け足で済まされているのも、広島を訪ねた理由です。基本的な知識を欠いたまま、偏ったネット言説や本に煽られてしまう風潮に恐ろしさを感じています。書物からの知識も大切ですが、出来事があった地で感じることは大切だと思います。
87年に大学の政治学ゼミで、韓国研修に行きました。韓流ブームどころか、知っている歌手といえばチョウ・ヨンピルぐらいの時代。あちらの学生達と飲み語り合い、もっとわだかまりなく付き合えるといいねという思いを共有できました。その一方で、親族を日本軍に殺された学生や、街角でおじいさんに日本語で罵倒されたりもしました。また板門店で北朝鮮兵を真近にして分断の現実を感じ、民主化を求める学生デモに巻き込まれ催涙ガスを浴びて、居合わせた韓国人学生に助けられたこともありました。まさに学校でスルーされがちな歴史を体感したのです。私の価値観を支えている体験です。
戦争を煽るような無責任な週刊誌の見出しが目に付くなか、冷静にしっかりと過去を知ろうとする。今だからこそ大切なことだと思うのです。
もちろん、シリアスな事を考えてばかりの家族旅行ではありませんよ。美味しいものを食べて、のんびりする。縁結びの神様である出雲大社で、娘の嫁入りを想像して、複雑な切ない気持ちになったりもしました。
しかしやはりロングドライブはしんどかったなぁ。