ナニワ一人旅② どうってこともないけどさ・・・
若者でにぎわう心斎橋をあとにして、新世界へ。
夕方、そろそろ一杯やってもいい時間。歩き回って汗をかいた体に、ビールを補給してあげたい。
コテコテな感じで、串揚げ屋さんのオンパレード。
それもいいんだけれど、揚げ物ガッツリという胃の状態ではない。
また観光客の家族連れやグループでにぎわう店での独り呑みは、なんだか寂しくなりそう。
そこで、メインの通りから外れてみると、
清潔そうな暖簾、今日のおすすめの肴が書かれたホワイトボードにつられて入店。
古いが掃除が行き届いた店内、コの字のカウンターのなかで、
大将と若い衆がきびきびと動いている。
鯵と自家製焼豚を注文。良心的な値段と味、マジメな店だ。
テレビの音も控えめで、つまらんBGMなどないのが、ここちいい。
地元の常連さんたちが、次々と来店してはカウンターが埋まっていく。
入ってきた常連さんと、待ち受けていた常連さんたちとの会話が、そのまま新喜劇。
あまりのおもしろさにクスクス笑っていると「どこから?」と会話が始まった。
何気ない世間話をしているうちに、心がほぐれていくような気がした。
この店にたどりついたのが、今日一番の収穫。おおきに。
いつか息子を連れてきますと、優しき常連さんたちに別れをつげた。 つづく。