四十三歳の春だから 定期列車
節分なのだ。後厄なのだ。
胸や腹が割れているように見えるが仮面ライダーじゃないのだ。
むしろバカボンのパパなのだ。満年齢は四十一なのだ。
鬼が服、ではないのだ。外は内、でもないのだ。
マスはかくものじゃなくて持つものなのだ。
カミもシモもないのだ。
前厄、本厄に続いて笠寺に行ったのだ。
恵方、日曜、晴天と揃ったから行列のできる駆け込み寺なのだ。
厄除けを兼ねて祈祷を受けたのだ。
「福は内」のために服の上から裃を着けたのだ。
「福は内」のために妻の服は打掛だったのだ。
親子三人、堂内で和尚さんの後ろから地味に豆をまいたのだ。
親子三人、豆をまいたあとは熱燗でクダをまいたのだ。
息子は甘酒でクダをまいたのだ。血は争えないのだ。
「鬼は外」を言わなかったので、
家では息子のために鬼になったのだ。
顔面直撃でお面の上からでも痛いのだ。
体罰には反対の賛成なのだ。
そして息子が鬼になったのだ。
これがホントの賛成の反対なのだ。
これでいいのだ。