きたぐにから南国へ 定期列車
のりかえ≫さよならさんびゃく
のりかえ≫またきてきたぐに
しかし阿呆らしさもここまでくると、
かえって厳粛な趣を呈してくるかに私は思うのだが。
―宮脇俊三『最長片道切符の旅』
2012年3月11日(日)
急行「きたぐに」を降りた大阪駅から難波へ。
難波からは南海「ラピート」で関西空港へ。
飛行機はたった2時間で、2日間の鉄道旅の移動距離を凌駕する。
たどり着いたのは沖縄。
そぼ降る雨に長袖が手放せない。
きたぐにの寒気を南国に連れてきたようだ。
ソーキそばで「暖を取る」。
1990年以来の沖縄訪問。
あのとき小さく見えた守礼門が今回は大きい。
その間世界遺産に登録され、首里城も復元された。
遺構は今も建物の下に残る。
ここで14時46分を迎えた。東日本大震災から1年、静かに黙祷を捧げる。
地元紙によると自治体や県民の地震津波対策は進んでいないとのこと。
丸い水平線のはるか向こうに、海が取り持つこの国の行方を思う。
のりつぎ≫南国のきたぐにへ