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ゲンカレチ 専務車掌 源石和輝

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TKJR(4) 定期列車

高いところが好きだ。バカだから。


しかしこんなところに寄っていたら
次の予定に間に合わないことも知らぬバカ。
スカイツリーは空を押上げる場所にある。

東京巡礼、最終日。

先発≫TKJR(1)


ツリーには登らず、押上から半蔵門線で渋谷へ。
地下化された東横線、副都心線との距離の近さよ!
のりかえ≫地上時代の東横線渋谷駅


続いて四谷の上智大学へ。
後期授業が始まったとあってこの賑わい。
キャンパスの若い息吹を久々に吸い込む。


文学部新聞学科の碓井広義教授と面会。
モルゲンの準レギュラーとしてメディア論を。
ラジオっ子であり、テレビマンであり。
強面だが語りと眼差しが優しい。
そしてラジオに対してどこまでも優しい。
番組終了を誰よりも惜しみ、労ってくれた。


学内には立派なスタジオがあり、
碓井先生はここで講義を行っている。


デジタルハイビジョン完全対応。
「アンテナさえ立てれば放送できる」とのこと。
ここで学べる学生たちは幸せである。


またもスカイツリーが見える両国へ移動。


総武線の旧ターミナルの風格が残る。
国技館前を行き交う若い力士たちの
鬢付け油の香りも漂う。


江戸東京博物館「東京オリンピックと新幹線」展。
戦後から五輪まで20年の復興の軌跡をたどる。

電化製品、団地文化などの資料が充実。
デンスケや接話マイクなどの放送機材も。
入口付近にはNHK「街頭録音」の実施を示す幕が。
戦後はラジオとともにあったことを改めて知る。

五輪を前に都民にマナー向上を呼びかけるチラシや、
案内表示に使われたピクトグラムや統一書体、
豪華さを排除しシンプルな新幹線を目指した
デザイナー星晃氏の談話などを興味深く見る。

1964年の東京は本格的パラリンピックでも知られる。
五輪は街や人をデザインする契機でもあったのだ。


東京ステーションギャラリー「ディスカバー、
ディスカバー・ジャパン『遠く』へ行きたい」


大阪万博後の気だるい高度成長疲れを
見事に切り取った国鉄のキャンペーン
「ディスカバー・ジャパン」
ゾクゾクするほど不安を煽り、
ワクワクするよな旅に誘う。
国鉄のセンスの秀逸さに身震いがした。

「美しい日本と私」のコピーが醸し出す頽廃、
提供番組「遠くへ行きたい」における虚実綯交ぜの
テレビドキュメンタリー作りは今も色褪せない。

新幹線や東京五輪から半世紀、日本人は変わったか。
東京巡礼でまさかの問いを突きつけられようとは。


旅の締めくくりはJFNパーソナリティ井門宗之さんと。
「ラジオマニア2014」の巻頭を飾った者同士にして
ともに朝番組を務めた“戦友”だが会うのは初めて。
のりかえ≫ラジオマニア2014


ラジオマニアの取材にあたった河野夫妻梅田さんも。
モルゲン最終回に花を贈ってくれた面々だ。
のりかえ≫モルゲン最終回ドキュメント
ネットや間接的な面識ばかりでほとんどが初顔合わせ。
しかし、毎週杯を交わす仲間のように話は熱を帯びた。


終電までの3時間、ラジオで話せないネタばかり。
酒も手伝って中身の記憶も甚だ怪しいのだが、
抱腹絶倒の連続だったことだけは覚えている。
きっと話の面白さよりもパッションなのだろう。

うまく説明できないが、それがラジオだと思う。
このパッションをラジオで話せるクオリティもまた、
我々の仕事であり使命である。


あやふやに新幹線、あやふやに名古屋。
「新幹線は魔法の杖だ」(宮脇俊三)
モルゲンがたくさんの人に支えられてきたことを
確認できる魔法の杖でもあった。

東京巡礼、終。
先発≫TKJR(1)

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