12年ぶりラジオドラマ 定期列車
12月15日、12年ぶりにラジオドラマを収録しました。
■彩光…大府ロマンス街道
12月22日(日)14:30-15:00 「ヤマトタケル」
12月29日(日)14:30-15:00 「竜神昇天」
日曜朝のBスタジオ。
「モルゲン!!」を放送しているいつもとは雰囲気が違います。
ラジオドラマ用にセッティングされたマイクの数々。
俳優たちは立ったままマイクの前で演じます。
12年前は旧社屋の第2スタジオで収録。
現在のBスタジオの3倍の広さがあったほか、
それとは別にナレーター用のアナウンスブースがありました。
新社屋にはこのようなつくりのスタジオはありません。
ということは、アナブースはどこだ?
まさか、衝立の向こう…
ありました。狭っ!
10時00分 読み合わせ
脚本は12年前と同じ麻創けい子さん【中央】。
適宜ダメ出しも行います。
30分×2本ですから、ゆうに2時間はかかります。
12時00分 昼食
以前は毎週木曜夕方に収録。
読み合わせ→夕食→リハーサル→本番の順でした。
そんな思い出話や収録でのエピソードに花が咲きます。
13時00分 1本目リハーサル
立ち位置やマイクの角度を入念にチェック。
源石も役者の一人としてマイクの前に。
マイクの正面から口を外すと遠近感が出ます。
斬られ役、たった一つの台詞にも力がこもります。
さて後方の窓の上になにやら怪しげな物体が…
正体は時計。秒針の音さえもマイクが拾ってしまいます。
ワイド番組とは異なる繊細さが、ドラマの現場にはあります。
14時00分 1本目収録開始
大府市朝日町に伝わる「ヤマトタケル」の物語。
カット割りこそしますが、基本最初から順番に録ってゆきます。
BGMも同時に流すため、失敗するとシーンの最初から録り直し。
緊張感の半端なさ。徐々にあの日の感覚を思い出します。
15時20分 1本目収録終了
解放感で自然に笑みがこぼれます。
15時40分 2本目リハーサル~収録
大府市桃山に伝わる「竜神昇天」の物語。
語りを務めるべく「アナブース」に入ります。
ディレクターの指示が見えるのはわずかな隙間。
リハーサル後のダメ出し。
台本に書きつけます。
後半泣きそうになるのをどう抑えるか。
思案のしどころ腕の見せどころです。
どうにかこらえて収録終了。
スタジオの熱気も相当!5度は上がったでしょう。
もうこんな時間になっていました。
今回共演した俳優のみなさんと。
前列左から石黒寛さん、水野詩織さん、益川京子さん。
後列左から長尾裕子さん、高橋潔さん、
こつじまさのりさん、吉田篤司さん、源石和輝。
「みのひだどらまん街道」(1997-99年)、
「彩光…大府ロマンス街道」(2000-01年)など、
20代の頃からラジオドラマに携わってきました。
「半七捕物帳」(2009-10年)では演じるほうも経験しましたが、
役者さんたちと一緒に収録するのは「大府」以来でした。
最初は語りの台詞が3つしかなかったり、
アナウンサーっぽい読みが崩せず「そんなのロボットでもできる」と言われたり、
言われたことが頭にきて録った分の出来がバカによかったり、
感極まって泣き出してしまい収録ができなくなったり。
ラジオドラマでは感情のコントロールが常に要求されてきました。
ただ感情を抑えるだけでなく、うまく出し入れすることを意味します。
ニュース読みの基礎を固めた上で、それを崩した果てにあるのがナレーション。
相矛盾する二つを身につけることで、しゃべりの幅や深みが広がってゆきます。
俳優のみなさんとの人のつながりもでき、お芝居を見る機会も増えました。
12年の歳月は決してブランクではなく、お酒を寝かせる期間のようなもの。
自分でも気づかぬほど、人生の積み重ねが声に出ているんだなあとしみじみ。
そんなことを思い出して、収録後少し涙しました。
もう一度番組のご案内を…
■彩光…大府ロマンス街道
12月22日(日)14:30-15:00 「ヤマトタケル」
12月29日(日)14:30-15:00 「竜神昇天」